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再エネ事業を始めるに当たって:中小水力発電事業に関するQ&A

■中小水力発電事業に関するQ&A

Q1.小水力発電事業の進め方について教えてほしい

小水力発電事業の事業化フローは図表1の通りである。
FS調査(事前調査)→基本設計(概略設計)→実施設計の段階を経るに従い、発電シミュレーション、工事費算出の精度を高めていく必要がある。また、基本設計の段階で、事業の可否を決定し、実施設計の段階で、各調査・検討項目の詳細化を図ることが重要である。
水力発電施設は、耐用年数が長く、長期にわたって安定した発電運転を行うことで、他の発電方式よりも低コストとなる潜在性をもっている。従って、電力の有効活用と設備の適切な維持管理によって、長期的に安定した発電運転が期待できる地点を選定することが、小水力発電の導入では重要なポイントである。

図表1:小水力発電の検討レベル

図表1:小水力発電の検討レベル
出所:全国小水力利用推進協議会編『小水力発電がわかる本(オーム社)』(2012年5月)

Q2.小水力発電事業の規模等の目安について教えてほしい

図表2の出力の計算式を基づき、以下に、落差、流量の目安を示す。

図表2:渓流を利用した小水力発電事業の様子

図表2:渓流を利用した小水力発電事業の様子
出所:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)『マイクロ水力発電導入ガイドブック(2003年)』図2.2-1を基に作成

発電事業の目安は最大出力100kW程度(※)
(1)140m×0.1m3/s×9.8×75%=103kW
(2) 70m×0.2m3/s×9.8×75%=103kW
(3) 30m×0.5m3/s×9.8×75%=110kW
(4) 3m×5.0m3/s×9.8×75%=110kW
(※)「一般社団法人 小水力開発支援協会」試算

Q3.小水力発電事業の事業性の評価方法について教えてほしい

事業性の評価を行うにあたっては、支出項目及び収入項目を網羅的に算定することが重要である*6。

(1)収入
収入項目としては売電収入が挙げられる。
売電収入は、
売電収入(円/年) = 売電価格(円/kWh)× 発電量(kWh/年)
で試算される。
発電量の試算にあたっては、
・使用流量
・設備利用率
を用いる。

(2)支出
支出の算定に必要な項目を次表に示す

項目 算定の考え方

初期費用

発電設備費用

水車、発電機、主要変圧器等の設備費

土地購入費等

土地を購入する場合

土木工事費用

水路や機械装置等の設置・工事費用

系統費用

系統連系に必要な費用

その他費用

プロジェクトファイナンスの場合:
各種アップフロントフィー(初期手数料)

運営管理時に発生する主なコスト

人件費

ダム水路主任技術者、電気主任技術者等の雇用に係る費用(必要な場合)

土地貸借料

土地を借りる場合の賃借料(賃借がなければ不要)

水利使用料

発電用水利権が必要な場合の使用料

販売費及び一般管理費

管理費及び予備費用

電気代

施設・設備で消費する買電費用

メンテナンス費用

電気保安上の定期点検や、発電量監視業務等に係る費用(巡視、緊急時対応等の管理体制に依存)、保守管理業務の費用、ごみの流入に対する除塵費用 等

修繕費

各種設備の部品交換・修繕に要するコスト(周期的なオーバーホール、消耗品の交換)

保険料

風力発電施設総合保険制度等

その他費用

小水力発電事業そのもの以外の運営コスト
(会計事務所への管理委託費用等)
シンジケートローンの場合: エージェントフィー

税金等

固定資産税

課税評価額×1.4%
(課税標準の特例装置の適用可能性がある)
なお、自治体が運営主体であれば不要

法人税

各事業者における法人税を算定

法人住民税

各事業者における法人住民税を算定

法人事業税(電気事業)

売電収入(税抜)×0.9%(超過税率は0.965%)

地方法人特別税

売電収入(税抜)×0.9%×43.2%

その他

廃棄費用

小水力発電設備の撤去、発電用地の原状回復に要する費用

減価償却費

小水力発電に関する設備等の償却年数と償却率は、建物、水路、機械装置、無形固定資産によって異なる

融資支払利息

借入金額、借入期間、借入利率から算出


図表3:支出の算定に必要な項目
出所:環境省『地域における再生可能エネルギー事業の事業性評価等に関する手引き(金融機関向け)Ver2.1 ~小水力発電編~』(2017年3月)

*6 環境省『地域における再生可能エネルギー事業の事業性評価等に関する手引き(金融機関向け)Ver2.1 ~小水力発電編~』(2017年3月)

Q4.小水力発電事業の収入及び事業費の目安について教えてほしい

以下に、いくつかのモデルケースにおける事業費の試算結果を示す。

(1)モデルプラント試算~400kWと100kW~(※)
・400kW 建設単価120万円/kW
建設費4.8億円、年平均運転費1262万円
2,102MWh×29円=6,100万円/年
4,000万円返済して、手元に約800万円/年
(仮に買取価格が25円/kWh・20年だと税前IRR5.3%)
 
・100kW 建設単価140万円/kW
建設費1.4億円、年平均運転費448万円
525MWh×34円=約1,800万円/年
1,000万円返済して、手元に約300万円/年
(仮に買取価格が30円/kWh・20年だと税前IRR4.9%)
(※)「一般社団法人 小水力開発支援協会」試算
 
(2)モデルプラント試算~100kwと50kw~(※)
・100kWの場合
建設費 1.4億円 (建設単価140万円/kW)
運転費 450万円/年
売電額 約1,800万円/年(525MWh×34円)
収入 約1,350万円/年
単純投資
回収年数 10.4年
・50kWの場合
建設費 0.8億円 (建設単価160万円/kW)
運転費 300万円/年
売電額 約900万円/年(26MWh×34円)
収入 約600万円/年
単純投資
回収年数 13.3年
(※)「一般社団法人 小水力開発支援協会」試算

Q5.代表的な支援制度について教えてください。

特に問い合わせの多い支援制度は、以下の通りである。

支援制度名 支援制度の概要

水力発電事業性評価等支援事業(民間事業者等)

~水力発電の事業性評価に必要な調査・設計等に要する経費の一部を補助~

■ 対象者
民間事業者等(法人、青色申告を行っている個人事業者及び地方公共団体)

■ 支援内容
補助金額:補助対象経費の1/2以内(上限:1 発電所当たり1,500万円/ 年)
※補助対象経費は、水力発電の事業性評価に必要な人件費、外注費及びリース料等。
※固定価格買取制度との併用可

■ 対象となる再生可能エネルギー等の種類
中小水力発電(20kW以上10,000kW以下)

水力発電事業性評価等支援事業(地方公共団体)

~水力発電の事業性評価に必要な調査・設計等に要する経費の一部を補助~

■ 対象者
地方公共団体(法人、青色申告を行っている個人事業者及び地方公共団体)

■ 支援内容
補助金額:補助対象経費の10/10以内(上限:1 申請当たり5,000万円/ 年、1発電所当たり1.000万円/年)
※補助対象経費は、水力発電の事業性評価に必要な外注費、リース料及び公募用資料作成に要するホームページ掲載費等。
※固定価格買取制度との併用可

■ 対象となる再生可能エネルギー等の種類
中小水力発電(20kW以上10,000kW以下) ※都道府県は2地点以上、市町村等は1地点以上の調査・公募を実施すること。

水力発電の導入促進のための事業費補助金(地域理解促進等関連事業)

~将来にわたり、水力発電所が安定した運転を行うため、地域とのコミュニケーションを図り、地域と水力発電の共生を促進~

■ 対象者
民間事業者、地方公共団体等

■ 支援内容
補助金額:補助対象経費の10/10以内
※補助対象経費は、水力発電の地域理解のために必要なセミナー、PR資料等整備、安全柵・周辺整備等。
※固定価格買取制度との併用可
※省エネ再エネ高度化投資促進税制(再エネ部分)との併用可

■ 対象となる再生可能エネルギー等の種類
中小水力発電(一般水力を含む水力発電全般)

農山漁村地域整備交付金(地域用水環境整備事業)

~農業水利施設を活用した小水力発電に係る整備等費用の一部補助~

■ 対象者
都道府県、市町村、土地改良区等

■ 支援内容
補助金額:1/2ほか
※固定価格買取制度との併用可

■ 対象となる再生可能エネルギー等の種類
中小水力発電


その他の支援施策は、「再生可能エネルギー事業支援ガイドブック(平成30年度版)」の「電源/フェーズ別支援メニュー」の「4 中小水力」(176~177ページ)に掲載されている一覧をご参照ください。

「国の支援施策検索」ページより検索可能です。

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