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再エネ事業を始めるに当たって:木質バイオマス発電事業に関するQ&A

■木質バイオマス発電事業に関するQ&A

Q1.木質バイオマス発電事業の進め方について教えてほしい

木質系バイオマスの構想から稼働までの流れを図表1に示す。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)『バイオマスエネルギー地域自立システムの導入要件・技術指針』では、「検討開始から運用開始までに概ね2年以上の時間を要する。各種許認可申請やFIT申請、電力会社への系統連系申込み等に一定の時間を要することはもちろん、事業を実施する地域の自治体や地元住民等との調整にも時間を要することに十分考慮して工期の設定を行う必要がある*7」と指摘している。

図表1:構想から稼働までの流れ

図表1:構想から稼働までの流れ
出所:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)『バイオマスエネルギー地域自立システムの導入要件・技術指針(2017年9月)』木質系バイオマス編(図Ⅲ.1-1)

*7 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)『バイオマスエネルギー地域自立システムの導入要件・技術指針(2017年9月)』木質系バイオマス編

Q2.小規模木質バイオマス発電の技術としてどのようなものがあるか

小規模発電で有望な技術として「小型蒸気タービン」、「ORC(Organic Rankine Cycle)」、「ガス化発電」があげられる。ORCやガス化発電は、欧州では豊富な実績を有し、活躍している技術で、これから国内においても普及が期待されている。
それぞれの技術は導入規模、熱の利用形態、原料規格、オペレーションなどで異なる特性を有しており、地域ごとの条件を踏まえて、正しい技術選択のもと、導入を進めていくことが大切である。

(1)出力規模と排熱特性*8
それぞれの技術ごとに設備費、発電効率、ランニングコスト等の違いがみられ、事業採算性の構造も異なることから導入する出力規模も異なってくる。発電出力の規模帯でみると、2,000kWに近い規模では蒸気タービン、数百kW以下の規模ではガス化発電、その間の中規模帯がORCといった棲み分けとなる。最近では2,000kW級のガス化発電もみられるようになっている。
発電に伴い発生する熱の規模も異なるため、それに応じた熱供給先の確保が求められる。
また、熱の性状が、ORC、ガス化発電の場合には、80~90℃の温水、蒸気タービンの場合は蒸気(抽気による高圧蒸気、タービン排熱の低圧蒸気)と、性状が異なるため、熱利用の際には考慮する必要がある。

図表2:出力規模等による技術選択と排熱特性

図表2:出力規模等による技術選択と排熱特性
出所:バイオマスアグリゲーション

*8 一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会『小規模木質バイオマス発電をお考えの方へ ~導入ガイドブック~』

(2)燃料要件*9
燃料の性状は燃焼の安定性、発電効率、発電出力、燃料消費量、設備トラブルに影響し、採算性にも大きく関わってきます。燃料の品質の順守徹底は非常に重要なポイントになる。
蒸気タービンやORCは、ボイラや投入口の設計次第で高水分率の生木・枝葉、さらには形状が不均一な燃料の使用も可能であるが、設計条件と異なる品質の燃料を用いると効率が低下したり、燃焼が不安定になることがあるので注意が必要である。
ガス化発電は、ペレットや乾燥チップが用いられるなど、含水率、形状、灰分、組成など、木質燃料でも高い品質の燃料が求められるが、小型でも高い発電効率が得られる。

図表3:小規模発電技術の燃料要件

図表3:小規模発電技術の燃料要件
出所:バイオマスアグリゲーション

*9 一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会『小規模木質バイオマス発電をお考えの方へ ~導入ガイドブック~』

Q3.木質バイオマス事業の採算性の検討方法について教えてほしい

以下に、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)『バイオマスエネルギー導入ガイドブック(第4版)』に記されている事業収支の検討方法及び事業採算性の検討事例を示す。

(1)事業収支の検討方法
実施するバイオマスエネルギー事業内容が設定された後、事業採算性について検討を行う際には、図表4に示す項目に注目しながら事業収支を分析する。

項目 計算方法

a. 建設費

メーカー見積もりをもらうと良い。

b. 建設費低減率及び補助率*%

建設費に建設費低減率及び補助率*%をかける。
FIT制度の適用を前提とする場合、基本的には補助金を利用することができないため、補助金の利用可否について別途検討が必要である。

c. 実質建設費

上記のa-bより実質建設費を算出

a. 収入

(1)~(4)の合計

 

(1)売電収入

売電単価×売電電力×稼働日数×稼働時間などにより算出

(2)熱販売収入

熱販売単価×熱販売量×販売先稼働日数×販売先稼働時間などにより算出

(3)肥料等販売収入

肥料販売費×年間肥料量

(4)処理収入

処理料金×年間処理量

b. 支出

(1)~(8)の合計

 

(1)ユーティリティー費

メーカー見積もりをもらうと良い。

(2)メンテナンス費

建設費の2~4%ほどを見込む

(3)人件費

人件費単価×人数などにより算出する

(4)減価償却費

(実質建設費 - 残存価格<実質建設費の10%>)÷耐用年数<15年>より算出

(5)灰処理費

灰処理単価×灰処理量などにより算出する

(6)支払い金利

借入期間、据置期間等を銀行と相談の上決定

(7)租税公課

簡単のために実質建設費から毎年の減価償却した額の差を対象とする。この場合、(実質建設費 - 累積減価償却費)×固定資産税率(1.4%)

(8)一般管理費

人件費の8~25%程度。実態に応じて設定する。

c. 税引前利益

上記のa-bより算出

d. 法人税等

事業の大きさ等により多少異なるが簡単のため、40.87%を適用すればよいと思われる。c×%より算出

e. 税引後利益

上記のc-dより算出

f. 減価償却費

b.の(4)と同値を設定

g. 毎年キャッシュフロー

上記のe+fより単年度のキャッシュフローを算出


図表4:事業収支の検討項目
出所:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)『バイオマスエネルギー導入ガイドブック(第4版)』(表2-8)を基に作成

(2)事業採算性の検討事例

ケース概要

・直接燃焼発電(中~大規模)

規   模

・発電定格出力: 5,000kW
・処理規模: 約290t/日(未利用木材)

運転条件等

・稼働日数: 330日/年
・バイオマスの低位発熱量: 8.2MJ/kg(1,950kcal/kg)
・バイオマス調達価格: 5,000円/t
※バイオマスの発熱量は含水率によって変化する。 含水率は、伐採直後は高いため発電量が比較的少なくなってしまうが、天日乾燥や蒸気による乾燥などによって低くすることが可能である。

内   容

・原料である木質系バイオマスを直接燃焼させ蒸気タービンにより発電する。
・既に多数の実用化事例を有する直接燃焼発電を想定した。
・利用するバイオマスとして、未利用木材を利用するケースを想定した。
・土地購入費用は含んでいない


図表5:木質バイオマス発電の想定条件
出所:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)『バイオマスエネルギー導入ガイドブック(第4版)』(表2-9)

主要機器 仕様 備考

燃焼設備

 

 

 

原料供給設備

1式

 

起動式熱風発生装置

1式

 

流動床および燃焼室

1式

 

ボイラ

1式

 

排ガス処理設備

1式

バグフィルタ、助剤・活性炭サイロ等

給水処理設備

1式

 

灰処理設備

1式

灰サイロ、コンベヤ等

発電設備

 

 

 

発電出力

5,000kW

 

発電端効率

20%

 

所内電力利用率

15%

 

土木建築

1式

建屋等を含む


図表6:想定する木質バイオマス発電の設備仕様
出所:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)『バイオマスエネルギー導入ガイドブック(第4版)』(表2-10)

図表7:事業採算性試算結果のグラフ

図表7:事業採算性試算結果のグラフ
出所:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)『バイオマスエネルギー導入ガイドブック(第4版)』(図2-13)

Q4.代表的な支援制度について教えてください。

「再生可能エネルギー事業支援ガイドブック(平成30年度版)」の「電源/フェーズ別支援メニュー」の「5 バイオマス」(178~179ページ)に掲載されている一覧をご参照ください。

「国の支援施策検索」ページより検索可能です。

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